モンスターには負けない
私の家のすぐ目の前に4階建ての建物があった。
6月半ばから解体工事開始。
梅雨明けには大きなクレーン車が3台も入り、私の家を揺らし、
騒音と砂埃を撒き散らして作業を進めた。
壁や床を叩き壊し柱を押し曲げる黄色いクレーンは、
思い出のすべてを破壊するモンスターそのものだった。
あの建物は父の夢のひとつだった。
そこで過ごす時間が父の生きがいだった。
家族はそれぞれの立場でそんな父を支えてきた。
誰もが倒れるんじゃないかと心配したが、
父は誰よりも切り替えが早かった。
「これもまた人生」・・・そう言って自分史を書き始め、
毎日パソコンに向かっている。
とても87歳になるとは思えない、正確なブラインドタッチで。
そして私の方は、
9月から3ヶ月間若い人に混じって勉強することが決まった。
競争率2倍。
面接での必死のアピールが効いたかな。
いや、いや、泣き落としだったかも。(笑)
つらかったことも、いつか笑って話せる日が来る。
父も私もそう信じて、
自分の新しい目標に向かい進んで行こうと思っている。
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