ロミオの花火-えびす講花火大会
「ここ、いいですか?」
昨夜の犀川の土手、私の左側に一人分のスペースがあった。
「ええ、どうぞ。」
見上げると、30代後半の男性。 ちょっこしイケメン君。
「いやー、すごい人ですね。」
「こちら、初めてなんですか?」
「そう。 オレ、仕事で長野に来てて、すごい花火だって聞いたから。
もう一人誘ったけど、ドタキャンくらっちゃって。 地元?」
「ええ。 毎年のように来てます。」
「ほんとに? じゃあ、場所はここが一番?」
「今年場所変えたんです。 前にテントが見えないからいいかなと思って。」
「なるほど。 しかしこの時期めずらしいよね。」
「日本でいちばん美しい晩秋の花火、って言うんです。」
「ふうん。 やっぱ、詳しいんだね。」
「もちろん! 個人協賛したくらいだし。」
「協賛って、いくら? 1万!? へえー、そこまで?」
早速プログラムを開いて説明する。 ロミオの名前のことも。
「気持ち、すっげーわかる。 オレも昔、犬飼ってたから。
でも中高と部活忙しくなって、あんまりかまってやれなくなって・・・。」
話はどんどん盛り上がり、
こんな人と一緒に花火を楽しめるなんて ミラクルだわぁ、と思っていたら、
突然声がかかった。
「ここ、いいですか? ものすごい人ですね。」
私の左手前に、30代後半の女性が立っている。
6時開始のため、4時20分から待っていた
私の妄想タイム も、さあ、ここでおしまい! (#^.^#)
「ええ、どうぞ。」
オープニングの個人協賛の特大スターマイン。
「信濃の国」 の歌声に合わせて素晴らしかった! 美しかった!
ああ、これが待っていた 「ロミオの花火」。
10号玉のコンテストはちょっと間延びしたけれど、
パワーアップした2度のミュージックスターマインに上がる大歓声!
そして、
ラストのスターマインの時は
大好きな平原綾香の歌が
流れてきた。
♪~
あなたは わたしの 奇跡
あなたは わたしの 希望
必ず どこかで 見ているわ
それだけで いいのよ
歌詞を口づさみながら
頭の上に広がる花火を
見ていたら、
それまでこらえていた涙が
どっと溢れた。
11月26日 追 記
犬の目は、人間のように 「色」 を認識することはできません。
つまり、ロミオの見えていた世界も完全にモノトーン。
今回も花火を見るのに夢中で、
下手くそな写真、ほとんど撮れませんでした。
そのうちの1枚が、この白くなった花火。
ロミオの目には色鮮やかなスターマインも、
ただ白く光って見えていたんだなぁと思うと、
花火嫌いのロミオを無理に連れてきてごめんね、って
言いたくなりました。
☆ 老犬の 瞳の奥の 冬花火
☆ 歩道橋 振り向いて見る スターマイン
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