ものすごくうるさくて、ありえないほど近い (ネタバレ)
2月22日に 見に行った、
「ものすごくうるさくて、
ありえないほど近い」
パニックにならないように、
タンバリンを鳴らしながら
ニューヨークの街を走るオスカーに、
私はまた
会いたくなってしまいました。
それで、3月1日の 「映画の日」 に
また見に行ったんです。
(以下、ネタバレあり。 注意!)
オスカーが普通の子とちょっと違うのは、
「アスペルガー症候群」 のせいかもしれません。
そんな部分も全部まとめて自分を愛してくれた
大好きなパパ (トム・ハンクス) を、9・11のテロで失います。
ただでさえ感受性の強い子なのに、
最後のパパからの電話に出られなかったことを
オスカーは誰にも言えず、ずっと悩み続けた。
不安と後悔に苛まれて自分を責めると、
自分の体をつねってアザをつける行為にもおよんだ。
アスペルガー症候群は、
社会性や協調性に問題があると言われ、
人とうまく話せなかったり、特定の物が異常に怖かったり
すぐパニックになったりします。
だけど、興味のある対象物への記憶力、集中力、行動力は
並はずれたものを発揮できるのです。
パパは、息子のそんなところも
「彼の素晴らしい個性の一つ」 として見ていました。
セントラルパークにある3つ目のブランコがパパは好きで、
高く高くこいでから、ぱっと飛び降りる。
オスカーは、そんなもの危ないし、怖いから乗りたくもない。
橋も、地下鉄も、ビルも、飛行機も、いろんな人も怖い。
パパを失って1年、偶然見つけた 「1本のカギ」 を手がかりに
メモにあった 「ブラックさん」 を一人ずつ訪ねて歩きます。
タンバリンの音と流れる音楽は、オスカーの心の動きを表すように、
不安と期待が入り混じって聞こえました。
人と話すことが苦手だったオスカーが
自分の意志で行動し、様々な人と出会い、前に進んで行く。
いつも自分のすぐ近くにいてくれたパパ。
パパを失くしてから、なんだかうとましくて遠い存在のママ。
息子に何とことばをかけていいのか戸惑う母親。
そのママが最も近づきたかった息子のために、
彼女もまた息子に内緒である行動を起こしていたのです。
「カギ」 の持ち主が分かり、
オスカーは出会ったすべての人たちに 手紙を書きます。
そして、パパの大好きだったブランコで見つけた
パパからの 本当のメッセージ。
解っていたんですよね。
パパにはオスカーがいつかここに来ることを!
ブランコに乗り、大きくこいでみるオスカー。
金具がギシギシいって今にもハズレそうで、私の方が怖い。
でも、あの時のオスカーのさわやかさ。
もうタンバリンを持たなくても大丈夫、と私は確信しました。
今回は、どこかママの気持ちになって見ていました。
たぶん誰もが心の奥に持っている悲しみと後悔。
痛みを分かち合う家族。
理解し合うために、お互いがちゃんと向き合うことの大切さ。
私は思ったのです。 二人は決してパパのことを忘れない。
「ものすごく会いたくて、たまらないほど愛しい」
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