アルクマの自動販売機

ロミママ

2015年04月18日 20:38

              


   アルクマの自販機を見つけた男の子、遠くから走り寄ってくる。

   「すっげぇ! アルクマだぁ!」

   少し遅れて、弟もそばに。

   「すっごーい、アルクマだぁ。 
    ねえ、お兄ちゃん、ここでアルクマ売ってるの? 何円?」

   「ユウタ、そんなわけ、ないだろう??
    あのさ、アルクマが中にいてジュースを出してくれるんだよ。」

   「え? アルクマが中にいるの? 本当?」

   「うん。 アルクマはさ、いつもお仕事してる、ってママが言ってたもん。」

   「ふーん、そうなの? でも、夏になるとこん中暑いでしょ?」

   「そんな時は、自分でジュース飲んじゃうからいいの。」

   「へーえ、アルクマってすごいんだね。
    でも、夜になったらこの中も真っ暗だよ。 怖くないの?」  

   「えーっとさ、クマは寒いときは穴の中でずっと寝てるんだ。
    だから、大丈夫なんだよ。」

   「ふーん。 お兄ちゃん、何でも知ってるね。
    ところで、ママはどこへ行っちゃったんだろう?」

   「ママ? えっとママはさ、きっと迷子になってるかもしんない。」



  
   そのとき、お兄ちゃんの首に下げているケータイが鳴りました。 

   ママ、叱らないでね。  こんなにかわいい兄弟たち!! 


                    (#^.^#)    
 

 

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