2009年04月28日
もう一つのチャロ物語②
スーパー前の電話ボックスに、その
茶色の子犬は捨てられていた。
子犬と言っても中途半端な大きさだから、生後4,5ケ月は過ぎていたと思う。
よく見ると、誰かが与えたのだろう、ちぎったコッペパンが落ちている。
「どした?食べたくないの?・・・あ、ちょっと待ってて。」
私はスーパーで小さなドッグフードの缶詰を一つ買い、すぐに戻った。
そして、怖がらせないように 「いい子だね。」 と話しかけ、ゆっくり引き寄せた。
「もう大丈夫だからね、チャロ!」 いつの間にかそう呼んで、抱き上げていた。
ちょうど子供の頃、神社の縁の下に捨てられている子犬を見つけた時と
同んなじ気持ちだ。(よく母に叱られたものだが。)
私は抱っこしたチャロを、そのまま
アパートに連れ帰った。
台所に上げて、まず
水を飲ませた。
次にご飯にドッグフードを混ぜ、少し暖めた牛乳をかけ、半分だけ与えてみる。
チャロはぺろっと食べて、小さくシッポを振って私を見上げた。
良かった。
この人なら安心と思ったのか、残りの半分もちゃんと食べてくれた。
食欲さえあれば、まずは
大丈夫だと聞いたことがある。
幸いなことにとてもおとなしい犬だし、
お腹がいっぱいになって、あとは静かに
寝てくれるだろう。
私は古いバスタオルとトレーナーとで、寝床を作ってあげた。
「もう寝んねしようね、チャロ。」 そう言い聞かせて、そおっと障子を閉めた。
しかし、その15分後、私は自分の甘さをほとほと感じることになるのだ。 (つづく)

子犬と言っても中途半端な大きさだから、生後4,5ケ月は過ぎていたと思う。
よく見ると、誰かが与えたのだろう、ちぎったコッペパンが落ちている。
「どした?食べたくないの?・・・あ、ちょっと待ってて。」
私はスーパーで小さなドッグフードの缶詰を一つ買い、すぐに戻った。
そして、怖がらせないように 「いい子だね。」 と話しかけ、ゆっくり引き寄せた。
「もう大丈夫だからね、チャロ!」 いつの間にかそう呼んで、抱き上げていた。
ちょうど子供の頃、神社の縁の下に捨てられている子犬を見つけた時と
同んなじ気持ちだ。(よく母に叱られたものだが。)
私は抱っこしたチャロを、そのまま

台所に上げて、まず

次にご飯にドッグフードを混ぜ、少し暖めた牛乳をかけ、半分だけ与えてみる。
チャロはぺろっと食べて、小さくシッポを振って私を見上げた。

この人なら安心と思ったのか、残りの半分もちゃんと食べてくれた。


幸いなことにとてもおとなしい犬だし、
お腹がいっぱいになって、あとは静かに

私は古いバスタオルとトレーナーとで、寝床を作ってあげた。
「もう寝んねしようね、チャロ。」 そう言い聞かせて、そおっと障子を閉めた。
しかし、その15分後、私は自分の甘さをほとほと感じることになるのだ。 (つづく)