2021年07月30日

大好きなあなたへ

あまりに近すぎて、
あなたの気持ちが見えなくなっていた。

東京にも何度もたずねて来て、
それを煩わしいと感じた私は、
話をすることも避けるようになってしまった。

でも、私が不始末を起こした時、
全力で私を守ってくれたのはあなただった。
もう裏切れない。罪滅ぼしに何かしたいと強く思った。

あなたとは仙台へ行った。
夜中に呼び出されて大変だった。
あなたとは沖縄へも行った。
一緒に首里城と戦争遺跡も見て回った。

よく言い合いになったし、大声上げてケンカもした。
謝るのはいつも私が先。

仕事を辞めそばにいられるようになって、
食事も作ってあげた。
送り迎えもしたし、ハープも聞いてもらった。

「あんた、誰?」と言うあなたに、
「お昼ごはんのヘルパーで~す」とおどけてみせる。

「また来るね」と言うと、
私の手を力強く握り返してくれた。
そこで初めて気づく。
私はずっと愛されていたんだ。

おまえがかわいかったのは3歳くらいまでだ、
と言われたあともずっと。



大好きなあなたへ  大好きだよ、って
  伝えられなかった後悔。

  あれから5年だね、父さん。








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Posted by ロミママ at 21:01 │父の自分史